現在、バスや電車などの公共交通機関には様々な広告があります。
それらは交通広告と呼ばれていますが、
交通広告については正しい知識を持っていない方も多いのではないでしょうか?
そこで、交通広告の種類や料金、メリットなどを紹介します。
交通広告とは
交通広告は、前述したように行動・生活環境の中になくてはならない公共交通機関をはじめ、
交通関連施設などにあるスペースを利用した広告媒体です。
移動中や外出中にはそういったコミュニケーション媒体を目にする機会が多く、
反復訴求の期待ができる交通広告は近年注目されている媒体となっています。
交通広告の効果、メリットとデメリット
では、ここからは交通広告のメリットやデメリットについて見ていきましょう。
メリット
接触率が高い
交通広告は人々の生活の中でも
多くの方が利用するバスや電車などの公共交通機関において目にすることができるものです。
特に乗降率の高い電車は都心部に行けば行くほど高く、
それだけ多くの方が強制的に目にすることができる媒体であると言えます。
反復訴求効果がある
通勤や通学での利用者が多い交通機関は、毎日同じ駅を使うことになります。
そのため、ほぼ毎日広告に接触することで認知度が高くなり、
同じ広告を繰り返し見ることで反復訴求効果が生まれやすくなります。
また、一定期間留まる空間の中にいることで、自然と広告に目に止まりやすくなるのです。
公共性が高いこと
不特定多数の誰でも見ることができる交通広告は公共性も高く、
信頼できる広告というイメージを持たれやすいのも特徴です。
そのため、プラスなイメージで人々にも伝わりやすく、来店や購入につながりやすいと言えるでしょう。
エリアセグメントが可能
エリアセグメントとは、出稿エリアを絞って広告を出稿する手法になります。
集客が見込めない路線や駅には出稿せず、
店舗近くの路線だけに広告を掲載することで広告費削減にもつながります。
また、最寄りの駅や所要時間を記載することによって、
例えば、「駅から歩いて3分」といった文言を打ち出すだけで来店率を上げ、更に集客効果が期待できます。
デメリット
掲載までの時間
交通広告のデメリットの1つに、実際に掲載されるまで時間がかかってしまうという点があります。
交通広告は、公共性の高い媒体ということからも、
入稿してから掲載するまでに必要となる審査が難しいと言われています。
何らかの指摘があった場合には再審査をしなければならず、
最終的に掲載されるまでにかかる期間は長くて1ヶ月かかるケースもあるでしょう。
差別化しにくい
交通広告は大きさがほとんど同じで他社の広告と並んでしまいます。
インパクトのある大きさなどの差別化が難しいため、
キャッチフレーズや使用する写真・フォントを工夫する必要があるでしょう。
効果が出づらいエリアがある
交通広告は交通機関などの利用者に向けた広告となるため、
バスや電車ではなく車や徒歩・自転車などを利用している方が多い地方では、
効果が得られないこともあるでしょう。
効果測定の難しさ
交通広告は、広告を掲載したことでどれほどの効果が得られたのかを把握しにくいというデメリットがあります。
広告効果を高めるために分析を行う際、
ネット広告の場合であれば容易に経由してアクションがあったのか数値的に把握しやすいです。
しかし、交通広告はそういった分析を行いにくいと言えます。
では、どのようにして交通広告の効果測定を行っているのでしょうか?
交通広告の効果測定 「車内ユニット視聴率」「広告内容理解度」「購入喚起度」
交通広告の効果測定は、車内ユニット視聴率・広告内容理解度・購入喚起度などを基に測定されます。
車内ユニット視聴率
車内ユニットと言うと、中吊りや窓上、ステッカー、ドア上、ドア横ポスターなど、
車内の様々な掲載場所において、1回の乗車で広告を見た方の割合を示しています。
特に中吊りは最も視聴率が高いとされているほか、窓上も次いで高くなっています。
広告内容理解度
広告内容理解度は、交通広告が伝えたいメッセージをいかに伝えることができているかという基準です。
企業独自の商品やサービスの魅力をしっかりと伝えられているかどうかは、
交通広告の効果を分析する際に大きなポイントとなるでしょう。
広告購入喚起度
公共交通機関などで交通広告を見た方が、
その広告を見たことで実際に購入したいと考えた方はどのくらいいるのかを調べるものです。
交通広告をきっかけに興味を持った商品やサービスは何か、
またパソコンやスマホで調べた経験がある方はどのくらいいるのかを把握することができます。
購入喚起度を分析することによって、
交通広告の効果がどれだけ人々の購買意欲を誘うことができたかを示す1つの指標となるのです。
最低限おさえておくべき交通広告の種類と料金
交通広告は種類が豊富にあり、料金もそれに応じて変わってきます。
公共交通機関に掲載する広告だけでなく、
駅に掲載する広告など、目的によって掲載場所を選択することが大切です。
駅に掲載できる広告
・自動改札ステッカー(改札口)
・大型シート(ホーム)
・柱巻き(ホーム・コンコースの円柱)
・フラッグ(ホーム・コンコース)
・フロア広告(床部分)
電車に掲載できる広告
・車体広告
・映像媒体(一部車両のみ)
・ドア横
・ステッカー
・ドア上
・中吊り
・窓上
バス・タクシーに掲載できる広告
・バスラッピング
・タクシー広告
・運転席後部
・外側板
・バス窓上
・バスステッカー
このように、交通広告と言っても数多くの種類があり、
どこにどれだけ掲載するのかによって大きく変わってきます。
料金については、50万円~300万円以上と幅があるため、事前に確認が必要です。
交通広告の活用事例
実際に交通広告を活用している企業は多いですが、その中でもキリンビバレッジの活用事例をご紹介します。
キリンビバレッジの交通広告
キリンビバレッジの「キリン生茶」の広告として、
JR東日本の首都圏前線のドア横新B広告をフルジャックしています。
ドア横新B広告は2017年から商品認定されており、
商品化して以降はキリンビバレッジが初となりました。
1車両あたり20面掲載されるため、
キリンビバレッジのお茶について知るきっかけや商品の良さを改めて知ってもらおうという考えで展開されたのです。
この交通広告は7月31日から8月6日までの1週間の掲載機関となっていますが、
通勤や通学で利用者の多い首都圏に広く掲載したことで、大きなインパクトを与えたことでしょう。
交通広告会社一覧
交通広告を提供している会社は数多くあります。
ここでは、その中からいくつかピックアップしてご紹介しましょう。
株式会社ジェイアール東日本企画
1988年に創立して以降、JR東日本交通メディアを広く手掛けている会社です。
交通広告についても車体広告や中吊り広告などの提供を行っており、
前述したキリンビバレッジの交通広告にも携わりました。
旭広告社
横浜市営地下鉄・横浜市営バス、JR・相鉄・みなとみらい線の指定代理店です。
横浜及び神奈川を主要エリアとして各路線の交通広告(電車広告、駅広告、バス広告)を取り扱っております。
京王エージェンシー
京王電鉄の100%子会社、京王沿線の交通広告などを取り扱います。
今回は交通広告について紹介してきましたが、いかがでしたか?
よりコストを抑えつつ効果的な広告を掲載するためには、
目的によって掲載場所を変えたり、媒体を変えたりすることが非常に重要と言えます。
交通広告は接触率が高く、実際に効果測定をしても交通広告によって購買意欲がわいたり、
商品やサービスに興味を持った方が多くいることがわかります。
また、エリアを絞って掲載するエリアセグメントも可能なので、
企業にとって多くのメリットが得られることがわかるでしょう。
交通広告を効果的に活用するために、
メリットやデメリット、また事例などを基に取り組んでみてはいかがでしょうか?