単品リピート通販とは?広告費を回収してビジネスモデルを成立させるために必要なKPI、リピート通販システムを紹介

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最終更新日:2021年08月03日

通信販売には大きく分けて「総合通販」と「単品通販」の2つが存在します。

総合通販とは、様々な種類の商品を充実させて販売する方法となり、例えるならAmazonや楽天など
巨大ECショップ、ベルーナ、ニッセンなどのカタログ通販も総合通販です。

その一方で、1つの商品、1つのカテゴリーに絞って商品を販売する方法が「単品通販」と言います。

ここでは、商品のカテゴリー・種類を絞って展開する単品リピート通販の概要や、
広告費を素早く回収してビジネスモデルを成功させるためのKPIを解説します。

単品リピート通販とは?

単品リピート通販とは、前述のとおり1つの商品・カテゴリーに絞り商品を販売する方法のことです。
あえて1つの商品に絞ることで、多くの注目を引きつけ、
総合通販にはない高いリピート率を獲得するなど成功事例も数多い通信販売の手法になります。

しかし、具体的に総合通販とどのように異なるのでしょうか。

次章では、単品リピート通販の特徴と
単品リピート通販に適した商材・サービスについて解説したいと思います。

単品リピート通販の特徴

単品リピート通販と総合通販では、全くビジネスモデルが異なります。
ここでは、単品リピート通販の具体的な違いをご紹介します。

1つの商品・カテゴリーで販売

Amazonや楽天、ニッセンのように様々な種類の商品を取り扱う総合通販とは異なり、
単品リピート通販は1つの商品・カテゴリーに絞って商品を販売します。

商品を1つに絞り込むことで品揃えは少なくなりますが、
集中的に広告費を投下し自社ブランドで展開する
こだわり抜いた商品を販売できるメリットがあります。

あえて商品を絞り込むことで、競合他社にはない魅力的な商品を展開できます。

同じ商品が定期的に購入される

Amazonや楽天のような総合通販は、種類豊富な商品が魅力的なのですが、
その分同じ商品を購入するというケースは少ないです。

様々なショップが展開する中で、都度好きな商品を購入する方が多いですよね。
もちろん、総合通販においてもリピート購入するお客様は多くいます。

しかし、一度購入した物を繰り返し買うことは稀です。

一方で、単品リピート通販はリピート購入を狙って商品を展開します。

あえて1つの商品・カテゴリーに絞り込み、費用を投下します。
その結果、競合他社と比較し、より魅力的な商品を展開し顧客にリピート購入してもらうのです。

いわば、一点突破型のマーケティング戦略といえます。

単品リピート通販は、より魅力的な商品を販売し、リピート購入を想定した戦略ですが、
リピートしてもらうには「消耗品」であることも重要。

たとえば、いくら競合他社より優れた商品であっても、
大型家具のように一度購入したらリピートしづらい商品では意味がありませんよね。

つまり、単品リピート通販を成功に導くためには、
1つの商品・カテゴリーに絞りつつも販売する商品は消耗品でなければなりません。

自社ブランドのオリジナル商品

単品リピート通販の特徴として、「自社ブランドのオリジナル商品」であることも重要です。

商品の製造自体は、OEMメーカーに委託することはあっても、
オリジナル商品でなければ総合通販で取り扱う商品となんら変わりません。

自社ブランドで展開するオリジナル商品だからこそ、単品であってもリピートを促せるわけです。

2-4.価格競争に巻き込まれにくい

単品リピート通販で販売する商品は、
前述の通り「自社ブランドのオリジナル商品×消耗品」になります。

顧客からすると消耗品だからリピートしなければなりませんし、
自社ブランドだからこそ、そのショップでしか買えません。

その結果、価格競争に巻き込まれにくく、競合他社と争わなくて良い状況を作り出せます。
独自の販路を拡大できるのが最大のメリットです。

単品リピート通販に適した商材・サービス

単品リピート通販の特徴から、どのような商材・サービスが向いているでしょうか。

以下、単品リピート通販、総合通販それぞれに適した商材やサービスの違いをまとめました。

 総合通販単品リピート通販
適した商材家電・本・アパレル・家具・アクセサリー・カメラ・ゴルフ・不動産など化粧品・健康食品・サプリメント・日用品・文具・美容雑貨など
品揃え種類豊富1つ
価格競争なりやすいなりにくい
利益率低くなりやすい高くなりやすい
購入頻度同じ商品は購入されにくい消耗品が多いため定期的に購入

 

1年間で4~5回以上購入する可能性のある商品

単品リピート通販に適した商材を選定する場合には、
1年間で4~5回以上購入する必要のある物」を基準に選ぶと良いでしょう。

消耗品であり1年間に4~5回以上購入する可能性があれば、
単品リピート通販の対象になり得ます。

たとえば、以下をご覧ください。

単品リピート通販に適した商材

食品・飲料ミネラルウォーター、お茶、コーヒー、乾麺、缶詰、野菜、加工食品、お菓子など
健康食品栄養ドリンク、サプリメント、青汁など
日用品歯磨き粉、ボディーソープ、シャンプー、洗剤、入浴剤など
化粧品化粧水、美容液、美容クリームなど
文具コピー用紙、ペン、ノートなど
美容雑貨ダイエットグッズ、下着など

上記からも単品リピート通販に適した商材は、消耗品であることがわかります。
自社ブランドをどの商材で展開するのか、ぜひ参考にしてください。

1年間の購入額が2万円前後の商材

単品リピート商材を選定する際に重要なのが、
先ほどもご紹介した1年間4~5回以上購入する可能性のある商材。

それともう1つが年間の購入額が最低でも2万円前後の商材ということです。

単品リピート通販は、商品が少ないですから、
ブランド価値の高い商材選定と価格設定が重要な要素になります。

どんなにリピートを促せる商材であっても、
単価を低く設定してしまうと、売上が確保できません。

たとえば、上記に示したサプリメントですと、
多くの商材で初回購入割引を導入し新規顧客獲得に結びつけ、
初回以降は通常料金で購入して頂くなど、
リピートにつなげつつ売上を確保する工夫がなされています。

このように、年間の購入額も意識して検討する必要があります。

一度購入されたら次の購入まで1年以上買わない商材は対象外

単品リピート通販には、化粧品や健康食品など消耗品が適した商材ですが、
その一方で単品リピート通販に適さない商材もあります。

たとえば、家具・自転車・不動産など
一度購入したら次の購入まで1年以上買わない商材です。

こういった商材は、当然ですが、単品リピート通販には向きません。
リピートされやすい商材を選定しましょう。

単品リピート通販のビジネスモデル

サプリメントや化粧品などの単品リピート通販を参考にするとわかりやすいですが、
定期購入への誘導の仕方」によって大きく分けて2通りのビジネスモデルが存在します。

ここでは、単品リピート通販のビジネスモデルをお届けします。

初回お試し品購入→定期購入

初回お試し品購入→定期購入につなげる集客方法を「2ステップ方式」と言います。

現在、単品リピート通販のビジネスモデルとしては主流の集客方法になります。

初回お試し品を無料または割引で提供することで、
商品への参入障壁を低くし、次回以降リピートにつなげるという典型的なビジネスモデル。

しかし、初回お試しを無料または半額にすれば良いというわけでもありません。

無料サンプルは、単純に無料サンプル目当てに訪れる顧客も多く、
結果として本商品を購入しない場合もあります。

また、初回お試しの割引に関しても、
本商品と割引価格に乖離が生じると、離脱される可能性が高くなります。

このような理由から、無料サンプルの場合には、
本商品とのバランスを考えて著しくメリットの大きすぎるサンプルは避け、
本商品の使用感やメリットを感じられるものにする。

また、初回お試しの割引に関しても割引率を意識して、
概ね10〜35%で設定することが重要です。

あまり割引率を高めてしまうと、乖離が生じますのでご注意ください。

本商品購入→継続購入

単品リピート通販のビジネスモデルには、
本商品購入から定期購入を促す「シングルステップ方式」もございます。

シングルステップ方式は、いわゆる通常の商品販売の流れで、
初回商品を通常価格で販売する手法。

通常価格での販売のため、顧客が商品を手にする参入障壁は、
2ステップ方式よりも高くなるため、
商品購入後にどのようなメリットがあるのかを工夫しなければなりません。

たとえば、本商品の定期購入をされたお客様に対して、
割引率を10〜20%で継続させていくなどの工夫が必要です。

単品リピート通販を成功させるために必要なKPI

ここでは、単品リピート通販を成功させるために必要なKPIについて項目別に解説します。

LTV

LTVとは、「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の略となり、
顧客生涯価値のこと。

顧客生涯価値とあるように、お客様から生涯に渡り得られる利益のことです。
生涯に渡りとは、累積売上高となり、リピート顧客も含まれます。

たとえば、5,000円の化粧品を累積5回購入すれば、LTVは、25,000円。

単品リピートにおけるLTVの計算式ですが、以下のどちらかを用いることが多いです。

LTV計算式

(計算式A)LTV =年間売上高÷年間顧客数
(計算式B)LTV=平均客単価×平均購買頻度(年間)

 

上記のどちらの計算式を用いても、LTVを把握できますが、
カートの仕様や担当部門によって計測がしやすい数値が異なりますので、
求めやすい計算式を適用してください。

限界CPO

CPOとは、新規顧客一人あたりを獲得するためにかかった費用のことを示しています。

たとえば、200万円の費用を投じて、100人の新規顧客を獲得できた場合には、
200万円÷100人=CPO2万円となります。

このように本来CPOは、初回プロモーション時に
顧客獲得のためにかかったコストをいかに回収するか、
また何回顧客がリピートすればコストを回収できるのかを把握するための指標でした。

つまり、新規商品のリリース時にはCPOを割り出す必要はありますが、
シングルステップ、2ステップ方式で商品を展開した場合に、
実際に売れ始めている商品には、今後どの程度コストをかければ良いのかは把握できません。

そこで重要になるのが「限界CPO」という指標です。

限界CPOとは、その名の通り、商品を販売するにあたって、
顧客1人にかけることができる限界コストを示しています。

限界CPOの計算式は以下の通り。

限界CPO計算式

(A)新規顧客のうち、リピート客への転換比率(%)
(B)リピート客の平均リピート年数、または回数
(C)リピート客の年間平均購入額、または1回あたりの単価
(D)商品粗利率

 

この計算式に当てはめるとたとえば、

(A)新規顧客のうち、50%がリピーターに設定
(B)リピーターは1年に3回購入、また3年間継続して購入。3回×3年=9回リピート
(C)平均購入金額 3,000円
(D)商品粗利率は平均50%

 

つまり(0.5×9×3,000×0.5)×50%=6,750円となります。

こちらの企業の場合、リピート率や平均購入金額等をこのまま維持できるなら、
1人顧客獲得のために6,750円を投下すれば良いということです。

広告を出稿して新規顧客を獲得するコスト: CPA

CPAは、「Cost Per Acquisition」の略となり、
顧客1人を獲得するためにかかった広告費用を指しています。

CPAは、初回購入時から通常価格で販売するシングルステップ方式で用いられます。

たとえば、以下の通り。

100万円の広告費÷200件の商品購入=5,000円がCPA

シングルステップ方式では、2ステップ方式のように無料サンプルや
お試しセット等を含めないため、広告費の早期回収が見込めます。

定期コース購入を前提とした場合、
見込み顧客から継続顧客への転換率で次章のように考えます。

引き上げ率

2ステップ方式の単品リピート通販の場合には、
無料サンプルやお試しセット等から見込み客が来訪し、
どの程度、本商品に繋がるかを見ていく必要があるため
CPR」や「引き上げ率」を求める必要があります。

たとえば、以下の通り。

例)100万円の広告費を投下し500件の無料サンプルのお申し込みがあり、
そのうち200件の商品購入があった場合。

CPR:100万円(広告費)÷500件(無料サンプル)=2,000円
CPO:100万円(広告費)÷200件(商品購入)=5,000円
引き上げ率:200件(商品購入)÷500件(無料サンプル)=40%

このように、単品リピート通販の2ステップ方式では、
CPRをより低くするか、引き上げ率を高めることで顧客獲得単価を抑えることができ、
利益向上につながります。

単品リピート通販で必要なカート・他のツール

ここでは、単品リピート通販に必要なカートシステムをご紹介します。

サブスクストア

https://subscription-store.com/
サブスクストアは、大企業から中小企業、
スタートアップに至るまで1,400社以上の導入実績を持つ、
単品通販・定期通販システムになります。

サブスクリプション事業において重要な、販売から顧客、
入金、在庫管理まで一元管理が可能です。

月額49,800円(税抜き)から導入できるスタンダードメニューから導入できます。

リピスト

https://rpst.jp/

リピストは、月額費用14,800円から導入可能な定期購入・頒布会カートになります。
定期通販特化型となっており、比較的小額でスタートできるため、
小規模事業者にもおすすめできるカートシステムです。

侍カート

https://www.samuraicart.jp/

侍カートは、化粧品や健康食品など単品通販専門のカートシステムを提供しています。
特に、2ステップマーケティングにおける無料サンプルや
お試しセット等のマーケティング手法を強みにしています。

月額費用70,000円の「ASPプラン」から、侍カートに独自機能を追加できる
「カスタマイズプラン」など料金プランも豊富です。

楽楽リピート

https://raku2repeat.com/
楽楽リピートは、定期購入だけではなく、単品リピートに対応したASPカート。

リピートカートに必要な機能を標準搭載しており、
店舗運用・分析・販促など単品リピート通販に必要な機能が搭載されています。

リピートPLUS

https://www.w2solution.co.jp/Product/repeatplus.html

リピートPLUSは、0.98万と小額からスタートできる
単品リピート通販に特化したカートシステムです。

定期購入への引き上げやCRMを行える機能、さらには受注管理、
LTV向上のための高度な販促機能が搭載されています。

もちろんカスタマイズによるオリジナル機能も追加可能。

まとめ

通販ビジネスを展開する際に、
総合通販とリピート通販のどちらのほうが貴社の事業にあうかどうか検討してくださいませ。
リピート通販の場合、見込み顧客の獲得が非常に大切になります。
ただ、いきなり広告を打つのではなく、
以前に広告費を回収するためのシミュレーションを組んでください。
その際、本日紹介したKPIが非常に役に立つと思います。

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